学芸大学駅から徒歩8分。カレー好きのファンも多いカウンターの名店「表面張力」。 本格的な南インド・ゴア地方の料理をベースにしつつ、店主伊織さんの独自の経験から作るスパイス料理を提供されているこの店で、一夜だけの特別なコラボコースディナーが開催されました。
タッグを組んだのは、島根県松江市で本格的なネパール料理を手掛ける「MANTRABHANCHHA(マントラバンチャ)」の店主瀬尾さん。 お二人はプライベートでもネパールまでトレッキングに出かけ、本場のスパイス料理を食べてまわっているそう。そんな本格的な現地の味を追求するお二人の料理にソムリエの鉄平さんがワインをペアリングする。一夜限りの贅沢な企画に、両店のカレーを食べた事があるファンの一人として参加させていただきました。

インドの諺(ことわざ)をモチーフにした全6品のメニュー
席に着くと、置かれていたのは一切読むことができないメニュー表。 聞くところによると、このテキストは料理名ではなくヒンディー語で書かれた「インドの諺(ことわざ)」の羅列とのこと。今回のコースは全6品。それぞれの料理が、ここに記された諺をモチーフにして構成されているということ。どんな料理が出てくるのか、一切予想もつきませんが好奇心はめちゃくちゃそそられます!

【メニューリスト】
1品目:जब तक साँस, तब तक आस 「息がある限り、希望がある」
2品目:जल में रहकर मगर से बैर 「水に住んでワニと敵対するな」
3品目:ना नौ मन तेल होगा, ना राधा नाचेगी 「9マン(単位)の油がなければ、ラダは踊らない(条件が整わなければ、事は始まらない)」
4品目:गाव बसा नहीं, गाँव में कचरा 「村ができていないのに、村にはゴミがある」
5品目:अति सर्वत्र वर्जयेत् 「過剰は何事においても避けるべき」
6品目:बुजुर्गों की बात मानो तो फायदा होता है 「年長者の言うことを聞けば利益がある」
1品目:イワシのマリネ、金柑とビーツを添えて

コースのスターターは海からの一品。 脂の乗ったイワシに、金柑の爽やかな香りとビーツの彩り。スパイス使いは優しめで、アルザスのワイン特有なフルーツ感と酸味が絶妙にマッチしていて一瞬で食べ切ってしまいました。
2品目:牡蠣のパコラ

続いて登場したのは、牡蠣を使ったインドの天ぷら「パコラ」。 ひよこ豆の粉(ベサン粉)を使った衣は普通の小麦粉より香ばしく、中の牡蠣はジューシー。牡蠣を一口齧ってからキウイをつまみ、白ワインで流し込むのが美味しすぎてあと5個くらい食べたかったです。(同行した先輩が数日後のホームパーティーでカキフライを作ってくれました笑)
3品目:ししとうとキノコのソテー

3品目は海から離れ山の食材を使った、ししとうとキノコのソテー。咀嚼するごとにキノコの食感と旨味が感じられ、ししとうのほろ苦さが最高にマッチしています。タンニンと果実味のバランスが絶妙なオレンジ(アンバー?)ワインとの相性が最高でした。(バスマティライスの上に山盛りでよそってもらってカレー?みたいにもりもり食べたくもなる一品でした。)
コースも後半に突入し厨房の調理風景もヒートアップしていきます!

4品目:しっとりと火入れされたラムランプのロースト

4品目に登場したのは、写真からも見てわかるほど絶妙な火入れで、柔らかく仕上げられたラムランプです。
合わせるのは、瀬尾さんがネパールで出会ったという特別な蜂蜜を使ったソース。 瀬尾さんが現地ネパールでこの蜂蜜に出会い、ソースを試作してきたエピソードを伺いながら、ソースをお肉に少しずつ合わせていただきます。 ラムの野生味に、蜂蜜のほのかな甘みが良く合い、これまたワインが進む逸品でした。
5品目:島根の猪を使ったスクティのスープ

続く5品目のスープ。メニューに記された言葉「過剰は何事においても避けるべき」の通り、塩のみで味付けされた優しい味の一杯でした。
具材は「スクティ(Sukuti)」と呼ばれるネパールの伝統的な干し肉。これは店主のお二人がネパールでトレッキングをした際の体験がベースになっています。現地で泊まった宿でお母さんが薪を使い調理をし、家族のために作っていた賄いを分けてもらったのが、このスープを作るきっかけになったそうです。 その時の記憶と味を再現するため、今回は島根で獲れる猪肉を使い、あえて薪の熱と煙で燻して干し肉に仕上げたというこだわりの一品でした。
6品目:松葉ガニの旨味が凝縮したビリヤニ

コースの締めくくりは、島根・松江の冬の味覚「松葉ガニ」を贅沢に使ったビリヤニ。コース料理の〆にビリヤニが食べられるなんて、こんな贅沢なことがあっていいのでしょうか、、!
ふわっと炊き上げられたバスマティライスの上には、ぎっしりと身が詰まった蟹の足が豪快に鎮座しています。ライスに染み込んだグレービーは、カニの出汁や味噌がしっかりと溶け込んでいて濃厚。ビリヤニにワインをペアリングするのは初めてでしたが、ソムリエの鉄平さんが選んでくれたのは、ややしっかり目の赤ワイン。これがカニ味噌の風味と驚くほど合い、ビリヤニもワインもついついおかわりを頂いてしまいました。
現地の体験談を聞きながら、普段はあまりレストランで食べられないようなスパイス料理が次から次に提供される、本当に美味しくて楽しい一晩でした!
「表面張力」と「MANTRABHANCHHA」。
両店のコラボイベントはまた開催を考えているとのことでしたので、次回の情報はぜひ双方のInstagramでチェックしてみてください。
伊織さん、瀬尾さん、鉄平さん美味しいコース料理とワインのペアリングをありがとうございました!
最後に、両店の通常営業で食べられるカレーとダルバートの写真を掲載して、結びとさせて頂きます。


表面張力の店舗情報
| 店名 | 表面張力 |
| 電話番号 | – |
| 住所 | 東京都目黒区鷹番1-3-4 no.102 |
| 営業時間 | Lunch 11:30-15:00 Dinner 19:00-21:00 -CASH ONLY- |
| 定休日 | 月・火 その他不定休あり ※Instagramで営業日要確認 |
| WEB | https://www.instagram.com/_hyomen_choryoku/ |

