能登野菜×間借りカレーが反則級の旨さ!「狛犬hug me!」(代々木/目黒)|実店舗を持たないからこそ生まれた”唯一無二”のカレー体験とは?

能登野菜×間借りカレーが反則級の旨さ!「狛犬hug me!」(代々木/目黒)|実店舗を持たないからこそ生まれた”唯一無二”のカレー体験とは?
狛犬hug me!店主 河野圭介氏

東京カレーマガジンを運営する高木です!

今回ご紹介するのは、間借りのカレー屋「狛犬hug me!(コマイヌハグミー)」。

“間借り”とは、実店舗を持たずに、他のお店の休業時間を借りて営業するスタイルのこと。固定費がかからない分、スタート資金を抑えられるメリットがあるので、最近はまず間借りから始めるという飲食業の方が増えてきている。

でも、狛犬hug me!はそのメリットをまったく別の方向に活かしていた。

「実店舗では作れないカレーを作る」——そう語る店主・河野圭介氏の一杯、めちゃくちゃ気になりませんか?

代々木と目黒で間借り営業するカレー店「狛犬hug me!」

間借り店舗として利用しているのは代々木の名店「ライオンシェア」
間借り店舗として利用しているのは代々木の名店「ライオンシェア」

この日、狛犬hug me!が営業していたのは、JR代々木駅・小田急線南新宿駅から徒歩圏内にある、東京都の食べログカレー百名店「ライオンシェア」。

あの名店の厨房を借りてカレーを仕上げるって、それだけでもうワクワクが止まらない。

オープン20分前、すでにファンが行列を作っていた

撮影スポットになりがちなお店のバイク
撮影スポットになりがちなお店のバイク

最近、カレー好きミュージシャンとしても知られるMY FIRST STORYのボーカル・hiroさんのYouTube「森ちゃんねる」で取り上げられたこともあって、混雑を避けようと少し早めにお店に向かったのだが……すでに行列ができていた!

「間借りカレー屋に、なんで?」と一瞬思ってしまうけど、やっぱりそれだけの魅力がある証拠。期待がグッと高まる。

ちなみに、マイファスhiroさんのカレー「モリーズカレー」は2025年12月2日〜14日に新宿・大久保公園で開催される「カレー万博」にも出店予定とのこと。こちらも要チェックだ。

狛犬hug me!のカレーを実食!能登野菜がとにかくすごい

山椒豚キーマとチキンスープカレーと、蒸し野菜(おまかせ5種)(撮影:Emiri Torii)
山椒豚キーマとチキンスープカレーと、蒸し野菜(おまかせ5種)(撮影:Emiri Torii)

カレー屋といえば、チキン・ポーク・ビーフと多彩なメニューを期待しがちだけど、狛犬hug me!のカレーメニューは実はたったの2種類。

2回食べれば全メニュー制覇できてしまう(笑)。

でも、何度リピートしても飽きが来ない。むしろ毎回新しい発見がある。その秘密は、丁寧に盛りつけられた無骨で力強い野菜たちにある。

スプーンでサクッと、ニンジンがうまい(撮影:Emiri Torii)
スプーンでサクッと、ニンジンがうまい(撮影:Emiri Torii)

スプーンでサクッと切れるニンジンの甘さ。蒸すことで引き出された素材本来の旨味が、スパイスの効いたカレースープと絡み合う瞬間、思わず目を閉じてしまう。

ミシュラン三つ星と肩を並べる!?厳選された能登・滋賀の野菜たち

毎回楽しみなのが「本日のやさい」だ。

野菜ソムリエの資格を持つ店主・河野氏が、自ら現地に足を運び、野菜の質だけでなく作り手との信頼関係を積み重ねてきたからこそ実現する、レアな野菜のラインナップ。

完熟万願寺甘長シシトウ(撮影:Emiri Torii)
完熟万願寺甘長シシトウ(撮影:Emiri Torii)

今回登場したのは、情熱大陸でも特集された輪島・上田農園の完熟万願寺甘長シシトウ黄パプリカ

どちらも肉厚で、食べごたえ抜群。そして、と〜〜っても甘い!この濃厚な旨味がカレーのスープと合わさると、もう反則級の美味しさなんです。

糖度8度のミニトマト「キャンディポップ」に衝撃を受けた

キャンディポップ(輪島・上田農園)
キャンディポップ(輪島・上田農園)

今年食べた野菜の中で一番衝撃だったのが、同じく上田農園のミニトマト「キャンディポップ」。

平均糖度8度。酸味がほとんどなく、口に入れた瞬間フルーツかと錯覚するほどの甘さが広がる。

しかもこのキャンディポップ、限られたお店にしか提供されていない超希少品種。ミシュラン三つ星レストランと同じトマトが、間借りのカレー屋で食べられるって……これは”すごい体験”としか言いようがない。

狛犬hug me!の店主河野氏と、輪島・上田農園の上田氏 (河野氏より提供)
狛犬hug me!の店主河野氏と、輪島・上田農園の上田氏 (河野氏より提供)

東京の間借りカレー屋で、スーパーではまず見かけない高級野菜を、素材そのままの美味しさでいただける。

これこそ、実店舗を持たないスタイルだからこそできること。フットワーク軽く輪島に通い、生産者との関係値を育ててきた河野氏だからこそ成り立つ、狛犬hug me!最大の武器だ。

もはや何者?能登ボランティア50回超、そして「さんタク」出演まで

フレンチレストラン『ラトリエ ドゥ ノト』のシェフ・池端隼也さんと(河野氏より提供)
フレンチレストラン『ラトリエ ドゥ ノト』のシェフ・池端隼也さんと(河野氏より提供)

河野氏の話を聞けば聞くほど、「この人、本当にカレー屋さん?」と思ってしまう。

能登半島の震災後、ボランティアに参加すること50回以上。すべて自費での活動だという。個人の力で助けられる範囲は限られている。それでも通い続け、能登の方々との交流を地道に重ねていった。

震災直後、毎日1,500食以上の炊き出しを続けた池端シェフとの出会い

現地でのボランティア活動を通じて出会ったのが、フレンチレストラン『ラトリエ ドゥ ノト』のシェフ・池端隼也氏。

ご自身のお店も被災して営業不能になったにもかかわらず、直後から仲間に呼びかけ、毎日1,500食以上の炊き出しを続けた方だ。

河野氏は「自分ひとりでは限界がある」と、能登で活躍するバイタリティある方々や市職員の方々との信頼を積み重ねていく。そして彼のバックボーンを掛け合わせ、ついに一人では成し得なかった大きなプロジェクトへと昇華させていった。

明石家さんま×木村拓哉「さんタク」で能登の炊き出しを実現

明石家さんまさん、木村拓哉さんと河野さんと、能登の皆様(河野氏より提供)
明石家さんまさん、木村拓哉さんと河野さんと、能登の皆様(河野氏より提供)

実はカレー屋になる前の河野氏は、テレビ局で活躍していたディレクターだった。

能登半島の現状と、池端シェフをはじめとする魅力的な人々が復興のために動いていることをフジテレビのプロデューサーに伝え続けた結果、あの「さんタク」の企画として、明石家さんまさんと木村拓哉さんが能登を訪れ、住民の方々への炊き出しが実現したのだ。

年始の特番をリアルタイムで観たのだが、会場に集まった大勢の人々が、さんまさん・キムタクの手渡しによる炊き出しに勇気づけられている表情を見て、不覚にも涙腺が緩んだ。

きっと能登半島の方々にとっても、一生忘れられない思い出になったのではないだろうか。

そして驚くべきことに、そんなきっかけを作っていたのが、実店舗も持たず、利益度外視で営業する間借りカレー屋の店主たった一人だったなんて。

個人的に面白いのは、河野氏が能登で出会った人たちは誰も彼のカレーを食べたことがないということ(笑)。きっとみんな口を揃えて「一度食べてみたいんだけど……」って言ってるんだろうなぁ。

今年も「さんタク」はあるのか?気になる年末の動向

帰りがけに「今年もまた能登行くんですよね?さんタクはあるんですか?」と聞いてみたら、「早く写真撮ってよ」と話を逸らされてしまった……。

これは12月に間借り営業が休みになり始めたら、要注目かもしれない。

どちらにしても、クリスマスには輪島でサンタクロースのコスプレをして仮設住宅の子どもたちに会いに行く予定だそうだ。「そのためによく食べて体型維持してるんです」とのこと。バッチリですね(笑)。

「狛犬hug me!」営業情報|代々木と目黒の2拠点で週2日営業

カレー屋でありながら、彼が見ている景色はカレー屋の枠を大きく超えている。そんな狛犬hug me!のカレー、食べてみたくありませんか?

代々木(日曜日営業)|間借り先:ライオンシェア

日曜日営業の間借り先はライオンシェア
日曜日営業の間借り先はライオンシェア

目黒(水曜日営業)|間借り先:bar 4

水曜日営業の間借り先はbar 4
水曜日営業の間借り先はbar 4

営業は日曜日が代々木、水曜日が目黒の2拠点。Instagramをフォローしておくと営業日が確認できるので、気になった方はぜひチェックを。

12月は能登に行かれるそうなので、その前に美味しいカレーを食べつつ、河野氏の話を聞いて楽しい時間を過ごしてほしい。

※Instagramの投稿も独特なので、驚かないでください(笑)。

まとめ

河野氏と出会ってからもう3年ほど経つのだが、知れば知るほど興味深い方で、彼がカレー屋を続けるのか、この先どこまで行くのか、目が離せない存在だ。

間借りという自由なスタイルだからこそ実現する、能登の極上野菜を使った唯一無二のカレー。そして、カレーを起点に能登復興まで繋げてしまう行動力。「狛犬hug me!」は、間借りカレーの可能性を最大限に見せてくれるお店だった。

そして、いろいろと矛盾しますが……実店舗ができるみたいです(笑)。奈良の方々もご注目ください!

高木それと

AUTHOR

高木それと

ただのカレー好き

「行動範囲で無理なくカレーを食べる」をモットーに 東京を中心に食べ歩いています。都内在住の会社員です。 各媒体で寄稿もさせていいただいてます。

← トップに戻る